【心が壊れそう】逃げることは悪いことじゃない

考え方

こんにちは、桐生真也です。

苦しくて、どうしようもなくて、誰も助けてくれない。

周りは敵だらけで、自分は独りなんだ。

そんな風に考えてしまったことはありますか?

どうして自分でやろうとしないんだ。

周りは皆やってる。

やらなきゃいけないんだから仕方がない。

このような言葉を言われたことはありませんか?

言いたいことはわかります、頭では理解しているんです。

もしかしたら自分が弱いだけで、自分が悪いんじゃないかって。

でも、そんな風に自分を責めてしまうことないんです。

私がかつて体験したことを、今回は少しだけお話したいと思います。

面白い話でも、為になる話でもありません。

ただ一人の人間が、苦しみ、逃げ出したお話です。

読んで嫌な気持ちになる方もいるかもしれませんので、無理して読まなくて大丈夫ですからね。

気ままにお付き合いいただけたら幸いです。

心は押せばつぶれるもの

私は警備員をしています。

一般的なイメージでは特定の施設に常駐し、巡回や悪人に立ち向かうような仕事という感じでしょうか。

フジテレビで岡田准一主演のドラマ「SP」のような、特定の誰かを警護する仕事という印象の方もいるかもしれません。

それも警備員の一形態ではあるのですが、私が一時期行っていた業務は車による巡回です。

ホームセキュリティなど、個人宅や施設に設置されたセンサーの警報を受信して、該当施設へ車で急行し原因の究明や復旧を行うというものです。

例えば熱感知センサーでは、小動物が動いたり、エアコンの熱風や、送られてきたファックスの熱でも警報が出ます。

赤外線センサーは、赤外線部分を遮断されてしまう要因があれば反応します。

大抵は外周部に設置されているので、雪などが降ると貼り付いてしまったり、結露が酷ければ赤外線が屈折してしまって警報が出てしまう。

マンションなどでは住民からの依頼などで出動するなど、業務は多岐に渡ります。

それを基本的には一人で対応します、夜中であろうと、天気がどれほど過酷だろうと。

何度も、夜中の仮眠時間であろうと起こされます。

真夜中に車を走らせて、遠く山奥の施設に行くことだってあります。

いつ出動がかかるかわからない、常に怯えるような状態で過ごし、仮眠時間であっても気が休まらない。

気づけば電話の着信に緊張するようになり、髪の毛もボロボロに抜けていきました。

人手不足で、二日ごとに24時間の勤務。

通勤は往復で4時間、家にはほとんど帰れません。

夜中の出動では疲れから意識が飛びそうになったり、高熱のまま勤務していたらインフルエンザだったこともありました。

勤務交代時に先輩と話すだけしか他人と関わることさえなく、仕事はいつも一人で勤務します。

心が少しずつしぼんでいくような、そんな不安。

一人でいるからこそ、余計なことを考え始めて、一人でどんどん苦しくなっていく。

不安を打ち明ける相手もいない、ただ一人で現状から逃げ出したくなる。

でもまだこの頃は、誰かと一緒なら笑うことができていたんです。

それでも一年が限界でした、出勤するのが嫌になっていました。

このままだともう仕事を続けられない。

私は逃げ出しました、別の業務に就かせてほしいと。

元の、施設での常駐警備に戻してくださいと会社に進言し、程なくそれは通りました。

やっと逃げられる、解放される。

しかしそこは、もっと過酷な場所だったんです。

一人になれる所を探していた

異動した先は、指令センターでした。

車で対応する警備員へ出動の指示をしたり、お客様の窓口となる部署です。

確かに施設内での警備業務ではありましたが、逃げ出した業務への指示です。

絶望しました、流石に無理があると。

指示するということは、多岐に渡る業務内容を網羅し、的確に判断できなければならないのです。

たった一年、それも担当したのが一箇所だけ、全体の数%程度しか対応をしたことがないような人間に指示できるはずがありません。

アルバイト数日の人間にいきなり店長を任せるようなものです。

しかも最悪だったのは、マニュアルなんて存在していなかったことです。

もしかしたら何処かにあったのかもしれません。

ただそれを教えてくれる人は誰もいなかったのです。

初めて触れる指令用のPC、電話は次々と鳴り、その都度適切な操作を要求されます。

現場からも状況を伝えてきて対処方法を聞かれますが、そもそも相手が何に困っているのか、どうしてあげればいいのかもわかりません。

周りにいる先輩方に聞こうにも、それぞれが忙しないこともあり、毎回嫌そうな目で見られます。

何でそれくらいできないんだよ、何でここに異動してきたんだよ。

ずっとそう言われているような気がして、でもわからないまま曖昧なことをする方が余程危ないと我慢して、どうにか耐えていました。

それでも知らないことやできないことが多すぎて、いつまでも追いつけない。

次第に現場からの電話に出ると、別の人に代われと言われるようになりました。

無力感に押し潰されそうになりながら、忙しそうな先輩方に電話を引き継ぎ、またかよって嫌な顔をされる。

どっちを向いても、そこには邪魔なものを見る目がありました。

私は休憩時間になると、すぐに指令室から逃げるようになりました。

でもどこにいればいいのかわからず、時には応接室のソファに蹲り、時には外に出て寒い中でずっと立って時間を潰す。

いつしか笑顔は消えて、出勤することが恐怖でしかなくて、どうにか早く帰る時間になることだけを望んでいました。

私は結局、ここからも逃げました。

部署の上司に限界であると伝え、上司もそれは感じていたらしく、僅か二ヶ月で異動となりました。

次でダメなら、もう辞めようと思いながら。

逃げることは悪いことじゃない

ここまでの話を読んで、私が弱いからだ、仕事ができないからだと言う方もいるでしょう。

事実だと思います、私もそう思います。

私にもっと耐え抜く心の強さがあったら、めげずに努力をしていれば、もう少し続ければ、もしかしたら違った結果になっていたでしょう。

実は社内で幹部候補に選ばれた結果、このような部署を転々とすることになったのです。

入社して数年で、大した結果を出していないのに選ばれたことが不思議でしたし、それは確実に重荷でした。

自分にそんな大役が果たせるとも思えず、他にもっと優れた人はたくさんいたはずだからです。

応えようとはしました、しかし届かないまま壊れてしまった。

それはひとえに私の努力不足であり、実力不足であり、気合や根性も足りなかったのでしょう。

ただ、心は耐えられなかったんです

不安や苦しみに、心が壊れそうだったんです。

続けていれば、いつかできるようになったかもしれません。

でもちょっと一息つくことさえできず、苦しいか寝ているかしかない時は無理なんです。

だからもしも、心が悲鳴をあげて、苦しくて辛くて、どうしようもないなら、逃げてください。

その状況から、立場から、責任から。

批難されたり、馬鹿にされたり、周りから否定されるかもしれません。

それでも逃げてください。

逃げることは悪いことではないんです、周りが何と言おうとも。

そんな冷たい言葉よりも守るべきは、あなたの心です。

あなたが、あなたよりも守りたいと思う何かのため以外で、心を壊してまでするべきことはありません。

仕事も、他者との関係性も、立場も、他の多くのことは、あなたの心より価値なんてないんです。

逃げることを悪いことのように言って、あなたを引き留めようとする誰かは、決してあなたを守ることはしてくれません。

傷ついた心を癒すには、まずその環境から離れることです。

何度でも、あなたの心が萎縮したり、軋まなくなるまで、逃げていいんです。

逃げた後で、後悔や不安が襲ってくることもあるでしょう。

私もそうでした、もう正当な評価は望めないだろうと思いました。

事実幹部候補からは外されたのでしょう、それ以来音沙汰もなくなりました。

ただ、あそこで心を壊さなくて良かったと、今は思っています。

無理に立ち向かってどうしようもなく心が壊れたら、今は働けなくなっていたでしょうし、今よりも未来が閉ざされたことでしょう。

今、私は笑えています。

あの頃の思いも経験となって、伝えることができます。

同じ思いを後輩にはさせないように、気遣うこともできます。

どうしようもなく苦しくて嫌だったけれど、逃げてきたからこそ、今に繋がりました。

どうか逃げることを恐れないでください、逃げる自分を責めないでください。

それは勇気ある第一歩です、あなたのために踏み出してほしい大切な一歩です。

その勇気を私は肯定します、あなたは悪くなんてない。

どうか健やかな心で、これから先に訪れる未来を迎えてほしい。

どうか、今を苦しむ人が少しでも減って、笑顔を取り戻してほしいと願っています。

もしも話せる人がいないなら、遠慮なく私に伝えてくれてもいいんです。

力になれることは少ないかもしれないけれど、話を聞くことならできるから。

自分を諦めないでください、あなたは大切な人なのですから。

どうか皆さんの日々が、少しでも笑顔の多いものでありますように。

あなたの大切な時間で読んでいただき、ありがとうございました。

Radiotalkで音声配信もしていますので、興味がある方はぜひこちらも聴いてみてくださいね。

番組 #真也のFeelingNight #Radiotalk https://radiotalk.jp/program/155656

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