こんにちは、桐生真也です。
気づけば新年になって半月も経過していて、時間の進む早さに戸惑いを感じています。
もともと季節感のないお仕事ではあるのですが、まさに光陰矢の如し、気づけば桜の季節になっていそうな勢いです。
いえ、暖かくなることには賛成なのです、バス停で待つ朝の空気が身に染みるので。
そういえば仕事で配っていたカイロを片付けていたのですが、そもそも何故温かくなるのかと思いまして。
中に砂のようなものが入っているのは知っていますが、どういう原理なのでしょう。
気になる!
最近では電子カイロとかいう充電式の物もあると後輩も言っていましたし、気になってしまいました。
浅い知識と拙い文章ですがご容赦ください。
気ままにお付き合いいただけたら幸いです。
カイロは”懐炉”って書くらしい
カイロっていつから使われているの?
カイロとは懐炉と書き、古い記録では既に平安時代頃からその存在を確認できるようです。当時は現代の物とは違い、火鉢で熱した石(温石)などを程よく冷ましたりして布に包み、持ち運んだり、布団などの足元に入れて使われていました。(湯たんぽに近い使い方)
熱した石って、寝てる時に触れたら火傷しそうですね。
かといって冷ましすぎると効果が薄いし、そもそもそんなに長持ちしなさそうです。
ですが今よりも家屋の気密性が低かった時代でしょうから、隙間風などが入ってくる中で冬の寒さを凌ぐには、こういった工夫も必要なことだったのだと思います。
こういったカイロは江戸時代頃まで主流で使われていたようですね、石を温めるだけですから一般家庭でも利用できる利便性があったからでしょうか。
やがて江戸時代では新しいカイロの仕組みが生まれていきます。
灰式カイロの登場
江戸時代元禄頃(1688年~1704年)には、懐炉灰(木炭粉末に保湿性の高い茄子の茎の灰などを混ぜたもの)を通期孔が開いた金属製の容器に入れて着火することで温める方式のカイロが登場した。時代が進み明治・大正時代の頃には懐炉灰は棒状に整形されて紙に包まれており、着火も容易になっていった。
イメージとしては低温で持続力がある炭を使う感じでしょうか。
昭和時代に入る頃には8時間ほど温かさが持続するように進化していたようですから、実用性は確実に上がってきていますね。
ただ、燃えている物を持ち歩くのは少々怖いというか、通気孔から服の繊維でも入り込んだら燃えてしまうような気もします。
実はこの灰式カイロは2010年まで製造されていたようで、燃料の安全性の高さや、着火しても水蒸気が発生しないことから、カメラのレンズなどの結露を除去するのに根強い人気があったそうです。
残念ながら一般的な需要としてはなくなってしまっていますし、販売継続は難しかったのでしょう。
現在手に入れようとすると、海外製の物しか残っていないようですね。
白金触媒式カイロ
白金(プラチナ)にベンジンなどの石油系炭化水素を付着させることで化学反応が起きることで発熱させるもの。現代の使い捨てカイロと比べると10倍以上の発熱量を誇り、燃料の調整次第で24時間発熱させることも可能。ただし商品ごとに指定されている燃料以外を使用すると不快な臭いが発生したり、燃料自体が持ち込み禁止となっていることもある。
開発されたのは大正時代末期頃、現代でも某有名通販サイトで調べると買えます、しかも1927年から売られているものが。(ハクキンカイロという商品名です)
こちらは使用時にプラチナを130℃に温める必要があるようで、直接燃料を燃やすようなタイプではありません。
しかし使い方を誤れば燃料に引火の恐れもありますし、十分に注意が必要になります。
商品ページを見たところ、見た目はオイルライターに近い印象です。
何しろあの世界的オイルライターのZippoも作っているそうなので、なんとなく納得です。
安価で安全な使い捨てカイロ

使い捨てカイロが登場したのは、1975年。鉄粉が酸素と結合して酸化していく際に発生する熱を利用したアメリカ陸軍の「フットウォーマー」という物を改良し、旭化成工業(現:旭化成)が販売した「アッタカサン」が初出。その後1978年に日本純水素(現:日本パイオニクス)が開発し、ロッテ電子工業(現:ロッテ)が販売したものが「ホカロン」である。1979年に白元が更に安価に製造販売したのが「ホッカイロ」。
私はカイロと言えば全部ホッカイロと言ってしまうほどの代名詞となっていますが、白元という会社は既になく、現在は興和株式会社が製造販売をしているようです。
1980年の冬には一気に需要が増大し、販売当初は2億円規模だった市場が、100億円規模に膨れ上がったそうです。
前述したハクキンカイロなどは4000円近くするのに対し、使い捨てカイロは100円程度で購入でき、かつ引火などの恐れもないことから現在では主流となったようです。
コンビニなどでも取り扱っていますし、保管も安全にできることから、非常時の持ち出しバッグに入れている人も多いのではないでしょうか。
私が勤めている職場では、年始の初売りに並んでいただいているお客様へ無償で配っていました。
小さくて熱すぎないので、冷えた手を温めるのにちょうどいいですよね。
衣服に貼るタイプや、靴下に貼って足を温めるものなど、最近は種類も豊富です。
ちなみに捨てる時は可燃ごみで大丈夫です、使ってないままの物でも開封して温かいまま捨てても問題ないそうですよ。
お住まいの地域によってルールが異なる場合もありますので、一応確認してみてくださいね。
また長時間肌に直接当て続けると低温火傷を起こしてしまったり、水をかけてしまうと反応して発熱することもありますので、こちらも注意してください。
現在は充電して発熱させるカイロや、ケミカルカイロと呼ばれる繰り返し使うことができるカイロも販売されているようです。
自分にとって使いやすいカイロを選ぶことができるのも、現代の魅力となっていますね。
感想

充電式のカイロが発売されるなど、平安時代から大きく進化を遂げたカイロ。
電子制御で低温火傷の発生を防ぎ、体温を検知して温度を自動調整するカイロなどが販売されるのも近い将来あるかもしれませんね。
スマートフォンと連動させて、温度調整を操作できたりとか。
また使い捨てカイロを再利用する取り組みに挑戦する企業もあり、使い終わった鉄粉を加工して水質の改善に役立てる技術があるそうです、まさにSDGsの促進と言えますね。
まだまだ使い終わったカイロをどのように回収していくかという課題は残されているようですが、こういった取り組みが広く知れ渡れば、環境問題に貢献できる取り組みとして高く評価されていくことでしょう。
これから先は、安価で安全であるだけではなく、ゴミを増やさない、環境に配慮する商品が求められていくことでしょう。
こういった科学技術の発展が、我々の生活や未来を支えてくれるのですね。
それでは今回はこのあたりで。
あなたの大切な時間で読んでいただき、ありがとうございました。
Radiotalkで音声配信もしていますので、興味がある方はぜひこちらも聴いてみてくださいね。
番組 #真也のFeelingNight #Radiotalk https://radiotalk.jp/program/155656
コメント